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今週のドクターコラム

No.116
海外でもプール熱にご注意!

〜プール熱は流行病ではありません〜

 

日本では、もうすぐプール開きのシーズン。
皆様のいる国ではいかがでしょうか?
この時期、注意いただきたい病気として、今回のテーマに「プール熱」を選びました。
 
特に5歳くらいまでのお子様を抱えておられるご家庭は要注意です!
 
 
  ◯ プール熱って何? ◯
 
プール熱とは、医学用語で言う咽頭結膜熱(イントウケツマクネツ)のこと。アデノウィルスが原因となり発症する病気で
主に、プールなどの水を介してうつることが多いので、「プール熱」と呼ばれています。
プール熱という呼び名から、『日本特有の季節性流行感染症』のようなイメージが浮かび上がりますがそんなことはありません。
世界中のプールで、しかも、最近では、温水プールが増えていることもあって年中発生しているのです。
 
 
 ◯ どんな症状なの? ◯
 
4〜5日間の潜伏期間を経て、
高熱
38〜40度の高熱が4〜7日間続く
喉の痛み
喉が赤く腫れ、4〜5日間痛む
結膜炎
目が赤く充血する
痛みがでる
 
等の症状が出ます。
他にも一般的な風邪のように、頭痛、寒気、食欲不振、吐き気、下痢、鼻水のような症状を伴うこともあります。
 
 
 ◯ プールに入る子どもだけの病気? ◯
 
プール熱の原因であるアデノウィルスの特徴は、感染力が非常に強いこと。
免疫力の低い乳幼児や、小学校くらいの子どもが比較的感染しやすいので、主な感染経路は保育園、幼稚園、学校のプール、子どものスイミングスクールなどです。
その子どもの会話、世話などで簡単に大人も感染してしまうのも特徴。
ただし、現代人は、どの国も免疫が低下していますから、プールを利用する大人も子どもと同様に感染しやすいと考えてよいでしょう。
 
 
  ◯ 海外では特に注意!! ◯
 
国立感染情報センターの調べによると、海外では、「アデノウィルス7型」に感染したという報告が多く、それによる疾患は乳幼児の命を危険にさらす肺炎であったりもします。
残念なことに、現在は積極的な治療方法がなく、
* 熱は下がるのを待つのみ
* 喉の痛みに関しては薬用のどあめなど粘膜保護
* 結膜炎には目薬をさす
といった具合に、対症療法が中心。
プール熱の原因であるアデノウィルスの繁殖性は、季節や気候に影響されませんので海外で小さなお子様がいらっしゃるご家族は、インフルエンザや海外に蔓延する様々な感染症と同じように予防対策が重要です。
 
 
 ◯ プール熱の予防法は? ○
 
【自宅】
*タオル、洗面器、食器などを家族と共用しない
*大人の家族もこまめに手洗いをする
感染するのはプールに限らないから手や指を頻繁に石鹸や流水で洗う
*人との接触は症状が消えてからも避ける。
*子どもであれば2日間は学校を休ませてもらう(日本では感染病に指定)
 
【根本的予防】
何よりも感染しにくい丈夫な体質をつくっていくこと!
免疫力低下が問題視されている現代人の課題
栄養ある食事と運動と睡眠が基本です!


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