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今週のドクターコラム

No.205
聞こえにくくないですか?

  耳が遠くなるのは、老人特有の現象だと思っていませんか? 
年配者に見られる「加齢性難聴」以外にも、「職業性難聴」や「騒音性難聴」など環境によって引き起こされる難聴があります。
大きな音で音楽を聴き続けて難聴になった人の話を聞いたことはありませんか?
20代や30代でも、なんらかの原因で難聴になる人は少なくありません。

ひとくちに「難聴」と言っても、その表れ方は人それぞれです。
軽度の「ささやきが聞こえにくい」(30〜50dB)レベルから、重度(ろう)の「耳元で大きな声を出しても聞こえない」(90 dB〜)まで、程度にも違いがあります。
耳がつまったような感じや高い音が聞こえにくい/低い音が聞こえにくい、耳鳴り、めまいも生じるなど、症状も原因や人によって大きく違います。
※dB:デシベルは音圧の単位で、目安としては40dBが図書館、100dBが電車の通る高架下程度

生まれつき聴覚障害を持っている日本人は1000人にひとりと言われ、聴覚障害者は全国で約30万人います(日常生活にちょっと不便を感じる程度の聴覚障害を持つ人は、その20倍とも言われます)。単純計算でも、聴覚障害者の3人に2人は、生まれた後で聴覚機能に異変が生じたと考えられます。
 後天的な聴覚障害については、幼少時の中耳炎やおたふく風邪、髄膜炎などの後遺症による場合が多いものの、青年期のストレスやウイルスなどによる場合も少なくありません。


難聴など耳の機能低下を引き起こす要因には、騒音のほかにも、外傷や感染症、薬物や他の疾患の影響などがあります。
耳から入った音は外耳から中耳、内耳を通って、神経を経由して脳に伝わります。そのため、外耳や中耳、内耳の炎症などが聴覚に影響するのはもとより、神経に影響を与えるようなウイルスや病気によっても影響を受けてしまうのです。
また、遺伝子要因も耳の機能低下に深く関係していることが知られています。 信州大学では、厚生労働省の先進医療認定を受けながら、難聴の遺伝子解析と臨床応用に関する研究を進めています。


「人の話し声が聞こえにくくなった」「テレビの音量が大きいと注意された」など、難聴に気づく場面は、日々の生活のなかでけっこうあります。
難聴の進行を遅らせるのに最も効果的なのは、早めの対処です。「あれ?」と思ったら、担当ドクターにご相談ください。


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