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今週のドクターコラム

No.62
海外駐在員の五月病 その3

1.頭でっかちにならず、まず行動してみる          
 
ビジネスパーソンは頭を使うことが多いので、体調不良や落ち込み・不安の最中には「何がいけないのだろうか」と原因探しに思考を巡らせてしまうものです。もちろんストレスを受けにくくするように思考を訓練することは必要なことですが、時には柔軟性をもって行動してみた方がよい場合もあります。たとえば、簡単なことですが、イヤなことがあったときには、逆に笑顔を作ってニコニコしてみましょう。すると不思議なことに、マイナスの感情が少しやわらぎます。もし思考が空回りしている自分に気づいたら、あまり深く悩まず、まずは小さなことでも自分から行動を起こしてみましょう。
 
2.心と身体はつながっている。体調管理にも気をつけて    
 
春は、気温の変化も激しく、体を壊しやすい時期です。風邪をきっかけにして、心の調子が悪くなることも多いのです。心と身体はつながっていますから、ぜひ体調管理はしっかりと行いましょう。特にこの時期は、飲みに行く回数を減らしたり、休日はしっかりと休むなど、休養をしっかりととりましょう。
 
3.Noと言える「拒否能力」を身につけよう    
 
体調が悪くなってくると、気も弱くなってしまうもの。活発な人の意見に引きずられて、たとえば気乗りがしない飲み会に参加したりすることで、さらに疲れてしまうということもあります。
とりわけ若い女性の方に多いのですが、「断ると仲間はずれにされるのではないか」という恐れから「Noと言えない」ケースがあります。嫌々ながらに参加したとしても、相手も対応に困るでしょうし、何より自分も楽しくありません。はっきりと「Noと言える」ことは、自分も相手も守る「能力」だと考えてみてください。気軽にNoと言える間柄から、本当の人間関係が生まれると思っています。
 
4.「グチをこぼす」のは格好悪くない    
 
職場やプライベートなどで気軽にグチをこぼせる人は「強い」と思います。「グチは格好悪いから、言わないようにする」という人が、とくに男性を中心にして多いですね。しかし、「グチをこぼす」のは効果的なストレスマネジメントのひとつです。我慢ばかりせず、怒りや不満があれば口に出してみましょう。問題そのものは解決しなくとも、不思議と気持ちがやわらぎます。
ただし、気軽にグチがこぼせる、信頼できる友人の存在が必要になります。あまり知らない人に無防備にグチをこぼすのは、逆に軽率だとマイナスの評価を受けることがありえますので注意してください。
 
5.最大の予防策は「自分自身の状態を知ること」    
 
今までいろいろとアドバイスしてきましたが、やはり「自分自身の状態を知ること」に勝る予防策はありません。「少し体調が悪いな」と気づくことができれば、仕事をセーブして休息を心がけるなどの対処ができます。一方で、自分の体調やリズムが分からなければ、どのように対処したらよいかわかりません。
 
しかし、心の状態は目に見えませんから、自分自身で気づきにくい部分もあります。不眠や腹痛などの身体症状を伴ってはじめて気づくこともありますが、もう少し早い段階で自覚しておきたいものですね。そんなときには、定期的にストレスチェックを受けてみることをおすすめします。毎月チェックしていれば、一年を通じてどの時期に具合が悪くなるのかを把握することもできます。「俺は毎年5月に調子が悪いんだなあ」と気づくことができれば、「5月にはあまり予定を入れないようにしよう」とあらかじめ調整することも可能です。
 
自分の調子が悪くなる季節・月が分かったら、忘れないように手帳に書き込んでおきましょう。手帳の月間予定表に「今月はあまり頑張りすぎないこと」と目立つように記入しておけば、自分を守るスケジューリングが可能になります。五月病の時期に限らず、ストレスマネジメントに手帳を活用してみてください。
 
まずはこちらでチェックしてみてくださいね!

 

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