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今週のドクターコラム

No.146
生ショウガは解熱剤?

前回は体温を上げる重要性、低体温の怖さについてお話しました。
低体温対策もいくつかご紹介しましたが、体質改善には
食事が大切!そこで今回は寒い時期に人気の食材「ショウガ」についてです。ショウガ
体温を上げるのに大活躍の「ショウガ」ですが漢方薬の専門家からすると「体をあたためる」事に関して言えば逆効果で、かえって体温を下げてしまう効果があります。
 
 
 

実験結果によると確かに、おろしショウガを使った料理を食べた30分後、指先の温度は「0.5度」程上がります。その30分後はなんと「1度」程温度が下がってしまいました。
また、おろしショウガを食べる前と比べると体内の温度までもが「0.5度」程下がっていることが分かりました。
 
実は、ショウガは中国ではもともと漢方薬では「解熱剤」として使われていた経緯があります。
しかし、「ショウガ」に体温上昇と、解熱の役割があり、『ショウガの調理法によって役割が変わる』という事実をご存知でしたか?下記では「ショウガ」パワーを最大限に引き出す方法をお伝えします。
 
【体を温めるのは乾燥・加熱ショウガ】
 
生のショウガに含まれる辛味成分「ジンゲロール」は、体の末端の血管を広げて血行を良くし、手足、指先を温めます。
しかし、体温が末端に集中するため、体内部の熱が失われ体温は下がってしまいます。

一方でおろしショウガではなく乾燥・加熱したショウガは辛味成分「ジンゲロール」の一部が「ショウガオール」という成分に変化します。まさにこの「ショウガオール」こそが本来の目的である「体を中から温める」という効果を発揮してくれます。
 
「ショウガオール」は胃腸の壁を直接刺激して血流を高め、体内で熱を作り出してくれます。
乾燥ショウガはこの「ジンゲロール」、「ショウガオール」の二つの成分を使って、体の末端、内部を温めてくれます。

ショウガは中国、アメリカを中心にヨーロッパ諸国方面にも日本からの輸出により入手しやすくなっています。
スライスしたショウガを天日で一日、また室内で一週間程干してからからにするだけで作れますし、一ヶ月ほどの保存も可能です。乾燥ショウガであれば紅茶やお茶に入れるだけで十分に体温上昇が期待できますし、様々な料理に使うことが出来ますので冷え性の方は是非試してみてください。


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