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今週のドクターコラム

No.257
過労という状態を理解する(4)

過労特集の最後は防止策について解説します。

 

 

3.過労の防止策

 

就労を続けるなかでは、一定の疲労や過労というものは避けることができません。

企業としては、過労死・過労自殺に対する安全配慮義務を果たすことは当然ですが、

あわせて赴任者にも「自己健康保険義務」への意識を持ってもらう必要があるでしょう。

セルフケアのチェックポイントとして、最低でも以下の点を周知させるべきだと考えます。

 

 

[海外赴任者が徹底したいセルフケア]

 

 

□3種類の疲労(身体疲労、精神疲労、神経疲労)があることを理解すること

 

□疲労を感じなくても、90分に5~10分は空気を変えること。集中を切ること

 

□身体的なリスクがあれば積極的に治療をしておくこと

 

□気晴らしをすると疲れる、また、気晴らしを続けても退屈感を感じないという場合は「過労」状態であり、気晴らしは禁物であることを理解すること。その場合は、刺激(メール、電話、ネット、テレビ、会話、外出)を避けて休むこと

 

□寝過ぎに注意すること。7時間を目安に規則正しく睡眠を取ること。睡眠導入剤を過度に敬遠せず、良質な睡眠(夢を見ない、途中で起きない、ぐっすりと寝た感じがする睡眠)が取れなければ積極的に専門医に相談すること

 

□休日も平日と同じ時間に起床し、日を浴びること(網膜からの光刺激が睡眠リズムを正す)

 

□飲酒は寝付きを良くし、緊張感を緩和するが、「薬代わりの飲酒」はアルコール依存に陥る可能性を秘めていることに注意すること。一定量(日本酒にして1~2合)の飲酒上限を守ること

 また、定期健診の受診はもとより、「要再検査」となった従業員には受診を指導すること(文書で指導することが望ましい)は、企業の安全配慮義務として求められる最低限の対応だと思います。


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