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今週のドクターコラム

No.187
インフルエンザの予防

 毎年、寒い時期になると流行するのがインフルエンザです。海外では、日本と同じ温帯地域はもとより、熱帯地域でもほぼ同時期にインフルエンザの流行が発生します。高熱を伴い、日常生活に支障をきたすインフルエンザは、可能な限り予防に努めたいものです。
 ウイルス性の疾患であるインフルエンザは、ウイルスに触れないことで予防が可能です。しかし現実問題として、ウイルスに触れないように生活をするのは困難です。では、どうすればインフルエンザを効果的に予防できるのでしょうか?

 効果的かつ簡単な予防法として知られるのが、手洗いうがいです。外出をしたあとに、石鹸や消毒剤を使って15〜20秒かけて手を洗うことで、手に付着したインフルエンザウイルスを落としたりインフルエンザウイルスの感染性を低減させたりすることができます。
 また、外出時にマスクを着用することもウイルスの感染を防ぐ効果的な方法ですが、実はマスクがここまで日常的に使われているのは日本だけなのです。滞在中の国や地域によってはマスクがあまり一般的でない場合もあるので、マスク利用の範囲や頻度についてはれぞれの文化や習慣に従うようにしましょう。

 次に、もっとも確実な予防法として挙げられるのは、予防接種です。流行前の時期にインフルエンザワクチンを接種することで、かなり高い予防効果が上げられます。肝心なのは、「流行前」にワクチンを接種するという点です。
 インフルエンザワクチンは、接種してから効果を発揮するまでに約2週間の時間を必要とします。インフルエンザが本格的に流行しはじめる12月初旬までに予防接種の効果を上げるとなると、11月中旬までにはワクチンの接種を済ませておきたいものです。
 また、ワクチンには1回接種のものと2回接種のものがあります。2回接種する場合は1回目を接種してから1〜4週間あけて2回目を接種することになります。最初に接種してから効果が出るようになるまで、1ヶ月半程度かかる計算になりますので、遅くとも10月後半には一度ドクターとご相談することをオススメします。

 特に、高齢者や心気管支喘息を持つ子ども、臓や肺に慢性の病気を持つ人などは、ワクチンの接種によるインフルエンザ予防が強く推奨されます。

 インフルエンザのワクチンというのは、国によって大きな差があるものではありません。日本で受けた予防接種は外国でも有効ですし、逆に外国で受けた予防接種は日本でも有効です。というのも、インフルエンザのワクチンは、WHO(世界保健機関)がさまざまな情報から次のシーズンに流行しそうなインフルエンザを毎年推測しており、ほとんどの国の予防接種がWHO推奨のワクチン株に基づいています。そのため、製薬会社こそ違えど、世界中のどこの国でもほぼ同じワクチン接種が可能になっているのです。

 インフルエンザ対策は10月から。予防接種の具体策など詳細については、担当ドクターにご相談ください。


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