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今週のドクターコラム

No.119
お腹の痛みが教える身体の不調

海外赴任して間もない時、お腹を壊しがちで、腹痛に苦しんだりはしなかったでしょうか?
食べ物にあたったのか、はたまた環境変化によるストレスなのか。原因は様々でしょう。
急にお腹が痛み出したけれど、トイレにかけこんだら治ってしまった。このようなことは日本にいても、海外にいても誰にでもよくあるものでしょう。
 
この程度の痛みなら良いのですが、なかには大変な病気が隠されている「危ないお腹の痛み」も少なくありません。少々の痛みだと思って、長時間の我慢は禁物。
どんな病気も、素人判断は怖いものです。
腹痛

 
 
 
 
 
 
 
 

痛みは体からの注意信号。病気や体の異常を私たちに教えてくれえる貴重なサインです。
 
お腹が痛いという症状の多くは、消化器系の何らかのトラブルによるものが多いものです。
ここでは簡単に、痛い箇所がどこか、またどのように痛いかによって、どのような病気が考えられるのかを表で見てみましょう。

痛む箇所・どのように痛むか 疑われる病気

みぞおちが痛い

 

激痛がある、左肩も痛む、吐き気、冷や汗を伴う

心筋梗塞

鈍痛がある 胃炎、胃下垂、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
体重の減少 胃がん

右上腹部の痛み

 
発熱を伴う 急性肝炎
さし込むような痛みがある 胆のう炎、胆石
疲れやすく、いつも体がだるい アルコール性の肝炎
押して痛みがある 肝硬変

へそ周辺の痛み

 
激痛があり、嘔吐、お腹の張り、便秘気味、腸がよく鳴る 腸閉塞、腸捻転

左上腹部

 
激痛を伴う(右上腹部にも及ぶこともある) 急性すい炎
体重が減っている 背中に痛みがある場合、すい臓癌
血便が出るようなら、大腸癌

右下腹

 
嘔吐、または胃のむかつきや吐き気、発熱がある 急性虫垂炎
下痢を伴う 過敏性腸症候群
グルグルと音がなる 急性大腸炎
下腹部全体の痛み  
血尿がでる、さし込む痛みがある 腎結石、尿管結石
下痢・便秘を伴う 大腸憩室
女性で激痛がある 子宮外妊娠、卵巣嚢腫の破裂、卵巣嚢腫茎捻転、月経困難症

下腹部全体の鈍痛

 
血尿が出たり、尿の出る回数が多い 膀胱炎
女性で鈍痛がある 卵管炎、卵巣炎
発熱がある 骨盤腹膜炎

お腹全体の痛み

 
張りがある、悪心、吐き気、激痛を伴う 腹膜炎、腸閉塞
下痢、発熱を伴う 食中毒による急性腸炎
腹部全体に鈍痛がひろがる 慢性腹膜炎、癌性腹膜炎

 
ほとんどの病気は腹痛を伴うことが多いものです。
腹痛をうったえて受診したときも上記の事をふまえて、どこが、どんなふうに痛むのかということがうまく伝えられると、危険な病気の早期発見につながるでしょう。
お腹の痛みを抱えているかたは、そのサインを見逃すことなく、会社で指定されているクリニックやジェイアイドクターに相談しましょう。


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