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今週のドクターコラム

No.189
毎日のストレッチ

 仕事や勉強などデスクワークに追われる毎日を送る現代人は、とかく運動不足になりがちです。また、長時間同じ体勢を保ち続けることで、筋肉が固くなり、筋力が衰え、血行が悪くなります。
 こういった要因は、腰痛や肩こりといった現代病を生み出すことになります。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、自覚症状の多い健康上の問題上位2位は例年、性別・年齢を問わず「腰痛」と「肩こり」です。

 腰痛や肩こりの予防・改善には、凝り固まった筋肉をほぐし、周辺の血行を促進することが大切です。そのために効果的とされているのが、ストレッチです。ストレッチは、捻挫などのケガを防ぐことにもつながります。


 日常的に行うストレッチには、大きく2つの種類があります。ひとつは静的ストレッチ、もうひとつは動的ストレッチです。
 静的ストレッチとは、筋肉を伸ばした状態で一定時間とどめるタイプのストレッチです。長い時間パソコンに向かっていた後などにごく自然に行うあくびや伸びなどが、身近な例として挙げられます。
 動的ストレッチとは、体を動かしながら行うタイプのストレッチです。夏休みの朝の風物詩・ラジオ体操などが、身近な例として挙げられます。
 静的ストレッチ・動的ストレッチのどちらも、体の柔軟性を高めるという効果において大きな差はないとされています。自分の性格や好みに合ったストレッチから始めてみてはいかがでしょうか?

 なお、静的ストレッチは、場所を選ばずに行えることから一番身近で手軽な方法といえますが、間違った方法で行ってしまうことも多いようです。効果ある正しいストレッチには、次の5つのポイントに注意をしましょう。
 1.1箇所を伸ばすのに20秒以上かける
 2.伸ばす筋や部位を意識する
 3.痛くなるまで伸ばさない(気持ちのいい程度でとどめる)
 4.呼吸を止めない
 5.目的にあわせた方法や部位を選ぶ


 凝り固まりやすい腰や肩の筋肉、加齢とともに衰えやすい太ももやお尻の筋肉などを意図しながらストレッチを行うことは、体の柔軟性を保ち、ケガのない人生を送るために有効です。また、ストレッチにはリラクゼーション効果があることもわかってきています。

 毎日のストレッチを続けることで、体の変化は実感できるはずです。残念ながら、厚生労働省が生活習慣病予防の観点から推奨している「運動ガイドライン」において、ストレッチは推奨する運動に挙げられていません。理由は、ストレッチの活動強度が基準に満たないということですが、ストレッチの有用性が科学的に証明されれば指針が変わる可能性も充分にあります。


 ストレッチを生活に取り入れることは、健康的な生活を続ける第一歩となることでしょう。体調や状態にあったストレッチ方法などについては、担当ドクターにご相談ください。


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