ホーム > 今週のドクターコラム

今週のドクターコラム

No.118
低カロリー食は飽きやすい!

海外では、「ダイエット」食品をたくさん見ませんか?たとえばダイエットクッキー、ダイエットスープなど。
これら低カロリー食は非常に増えましたが、長くこれを食している人はごくごくわずかです。
American Journal of Clinical Nutrition(米国臨床栄養学会誌)という雑誌で発表されたある興味深い報告があります。

「低カロリー食品は食べ慣れると味へ嗜好性が低下する傾向があり、これが「ヨーヨー」ダイエットの原因になっている」


同研究調査では、成人36名のグループが、

A:カロリーを減らさないスパゲティーボロネーズ(いかにも美味しそう!)と、
B:低カロリー版のスパゲティーボロネーズ(どうやったら低カロリーになるのか?!)


を別々に昼食時に5日間続けて食べたのです。
Aは567カロリーで、Bは374カロリーでした。

被験者は昼食ごとに一口食べた後の好感度と、満腹感と満足度をランク付けしていきました。
食事の第一日目には、被験者はどちらの食品に対しても同程度の好みを示したのですが、翌日から、Bの低カロリーパスタへの評価は低下(つまり、まずい!と評価)したのです。最初が100点だとすると、5日後は50点だったそう。
これに対して、Aのパスタの評価は5日間変わらなかったそうです。

主任研究者のJeffrey N. Brunstrom (University of Bristol, UK)氏によれば、
同結果から低カロリー商品は食べ慣れると、味への評価が落ちる可能性があるといいます。
空腹感を満たすために低カロリー食は好まれているけれど、食事の代用にするには、味の面で難しいと。

海外駐在の方で太ってしまったので、低カロリー食を買う方は最近増えていますが、
多くの方は途中で挫折しています。
ダイエットに、低カロリー食を活用することは、計算上、うまくいくように思えます。
しかし、人には味覚、嗜好があることをお忘れなく。

ダイエットを低下カロリー食に頼ると、味における満足度が低く、だんだんストレスが溜まり、結局辞めてしまうのです。

バランスよく、量は控えめ(海外では特に)、適度な運動。
これに勝るものはありません。

ダイエットに近道はなしです!


ご相談はこちらから

カテゴリ



バックナンバー