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今週のドクターコラム

No.37
海外赴任で習慣化する「便秘」

便秘にはいくつかの種類があります。
効果的な対策を行うためにも、自分はどのタイプなのかを把握しておくことは大切です。
 
大きく分けると「器質性便秘」と「機能性便秘」の二種類となります。
 
 
器質性便秘

 
「器質性」とは物理的な原因を意味し、何らかの病気などがもとで、便の通路となる消化管(胃、小腸、大腸、肛門)に物理的な障害があることをいいます。
具体的には、
・腸の炎症や腫瘍、閉塞などによって腸の通りが悪くなるために起こるもの
 これらの場合には、腹痛や嘔気、下血などの症状を伴うことが多く、早めの検査と治療が必要となってきます。
・腸の長さや大きさなどの異常によるもの(先天的大腸過長症など元々大腸の形質異常がある方)
・直腸瘤によって、肛門の内圧が分散してしまうために起こるもの  など
 
 
機能性便秘

 
「機能性」とは、腸そのものには異常がないが、腸の機能低下など排便機能のメカニズムに異常がある場合に起こる便秘のことです。自律神経に関わるもので常習性があります。
機能性便秘は急性便秘と慢性便秘に分けられ、慢性便秘はさらに弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘の3つに分けられます。
 
 
急性便秘
 
一過性単純性便秘ともいわれ、新生活や旅行などによる生活環境の変化や、偏った食事などによって、腸の蠕動運動が鈍り、一時的に起こる便秘のことです。
また、ストレスや緊張からも起こりやすく、ダイエットや水分不足も大きな原因となります。
急性のため、原因が取り除かれれば比較的はやく改善します。
 
起こりやすい具体的な状況として、
・旅行など環境の変化からの身体的ストレスの高まりによるもの
・体内の水分不足のため、便の水分が不足したことによるもの(大汗をかいたり、水分補給が不十分であったりすることなどで起こるもの)
・運動不足や寝たきりの状態で、腸の運動そのものが低下して、腸内に便が長い時間留まった状態にあることによるもの
・便の成分となる食物繊維の摂取が少ないことによるもの
・薬の副作用によるもの(抗がん剤の治療薬、高血圧や胃潰瘍のくすり、精神安定剤など)
 
 
慢性便秘
 
私たちが普段、便秘といっている多くの場合に当てはまるのがこの慢性便秘です。
一般的に週2日以上排便がない状態が、少なくとも1ヶ月以上続く便秘のことをいいます。
 
 
次回は、慢性便秘の具体的な内容についてお話ししていきます。


 


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