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今週のドクターコラム

No.78
新型インフルエンザ情報 No,4

お茶のカテキンで「勝て!菌に」
 

 

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□  できれば熱いお湯で! カテキンが十分抽出されます
□  紅茶、ほうじ茶などでもOK!
ただし、紅茶にはお砂糖はいれないで。効果が弱まります。
□  出がらしで十分!
積極的にお茶を飲もう!
その後残しておいてうがいに使おう!

 

 
先日、地方新聞(静岡新聞090806号)に、お茶がインフルエンザ予防に効果があるという記事が掲載されました。静岡県立大学薬学部の山田教授がお茶の予防効果の調査をした記事です。
 

衛生9  
 お茶の成分の中で様々な作用の主役と考えられているのが「カテキン」と呼ばれる物質。渋みの成分の本体です。
緑茶にはカテキンの一種であるエピガロカテキンガレートという物質が、紅茶には同じくテアフラビンなどの成分がそれぞれ含まれています。
カテキンは湯のみ茶わん1杯のお茶の中に100ミリグラム含まれています。

カテキンには
(1) 細菌を攻撃する抗菌作用
(2) 毒素を解毒する抗毒素作用
(3) ウイルスを抑える抗ウイルス作用
があるとされています。まさに、百薬の長なんですね!

海外生活でお茶を飲んでいないかもしれませんが、是非、インフルエンザ対策以外にも、飲んでください。
 
一つ、興味深い実験の記事をみつけました(資料:2003.11.1日本経済新聞)。
 
2003年に宮城県の養豚場でのブタを対象にした実験。ブタは人間同様にインフルエンザにかかりますよね。
11月から1月までの期間、緑茶から抽出したカテキン類を水に溶かし、普通のお茶の約4分の1の濃度にして豚舎天井のスプリンクラーからブタに直接噴霧したそうです。実験の狙いは緑茶成分がインフルエンザを抑える効果を持つかどうかの検証。
生まれたばかりの子ブタは、母ブタから受け継いだインフルエンザ抗体を持つものの、抗体の数は年々減少していきます。逆にインフルエンザに感染すると抗体が増えます。この増減の具合を調べ、効果を検証しようというものでした。
その結果、緑茶成分を噴霧した子ブタは12月には抗体数がほぼゼロになり、インフルエンザへの感染が認められなかった。噴霧をやめると1ヵ月以内に抗体が増えたということです。
一方、比較対照のために水を噴霧しただけの近くの養豚場では、同時期に子ブタの抗体が増えており、この地域でのインフルエンザが流行していたと推測できます。
予防接種をして体内に抗体を作らなくても、鼻や口を通して緑茶成分を摂取すれば、その抗ウイルス作用でインフルエンザ予防効果が見込めることを示していい、専門家は「噴霧しただけで効果が見られたのがこの実験のおもしろいところ」と解説していました。


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