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今週のドクターコラム

No.176
食事その2~PFCバランス

健康的な食生活についての第2回です。前回は、毎日一定量を摂取しなくてはならない三大栄養素の面から「PFCバランス」についてお話をしました。
 日本やアメリカでは栄養学の基礎として、一日の食事で得るカロリーの割合「タンパク質(Protein)1.5:脂肪(Fat)2.5:炭水化物(Carbohydrate)6」が、健康的で太りにくい体を作る理想とされています。

 また、毎日大量な摂取が必要とされる三大栄養素以外にも、日々の食事で摂取しなければいけない大切な栄養素はあります。その代表格は、ビタミンとミネラルです。
 ビタミンやミネラルは三大栄養素を体が効率よく使うためには欠かせなく、そのほとんどは体内で作り出すことができないため、食事などを通して摂取しなくてはなりません。
 中でも、カルシウムやマグネシウム、リンや鉄分などは一日に数百ミリグラム、カリウムは一日に2000〜3000ミリグラム(2〜3グラム)が必要とされることから、主要栄養素のひとつに数える考え方もあります。


 しかし、PFCやビタミン/ミネラルの必要摂取量が分かっても、実生活において口に入れるものをひとつひとつを測量するわけにはいきませんし、あらゆる料理や食材の成分一覧を頭に入れていくこともできません。では、どうすればいいのでしょうか?

 シンプルでわかりやすいやり方のひとつに、食材の色でバランスを考えるという方法があります。食材を白・茶・緑・黄色の5色に分けて捉え、一日の食事ですべての色を満たすようにすると、比較的バランスの取れた食事につながります。それぞれの色が示す栄養素と、代表的な食材(料理)は次の通りです。

 

炭水化物:ごはん、パン、パスタ、豆腐
タンパク質・脂質:肉類、赤身の魚
ビタミン・ミネラル:ほうれん草などの葉物野菜
黄色 ビタミン・ミネラル:納豆・トウモロコシなどの豆類、みかんなどの果物
ビタミン・ミネラル:ごま、昆布やひじきなどの海藻、しめじやしいたけなどのきのこ類


 メインになるのはPFCを表す2色、白と茶色です。体を動かすエネルギーを生み出す栄養素で、白と茶色の量は見た目で同量程度が適量です。ごはんお茶碗1杯程度が白の適量だと考えるとわかりやすいかもしれません。

 食事の彩りを鮮やかにする緑や黄色、黒は、糖質や脂質の代謝の促進、抗酸化作用などの効果があります。量としては、3色あわせて白や茶色と同量以上といったところ。ビタミンやミネラルが不足することにより、メインとなる炭水化物や脂質の代謝ができなくなることもあるので、彩り豊かな食事を心がけることは、健康的な食生活への第1歩ともなるのです。


 食事で不足しがちなビタミンやミネラルをサプリメントで補うという考え方もありますが、食事の中でバランスを取るのが理想的です。一日の中でバランスを取るのがむずかしい場合は、数日の間で分量をコントロールするだけでも違います。
 また、5色そろえることに加え、味(苦味・酸味・甘味・辛味・塩味)や食感(舌触り・かみごたえ・のどごしなど)にも気を配っていくと、栄養のバランスをより取りやすくなります。

 ぜひ食事の幅を広げる楽しみを味わいながら、健康的な食生活を送っていただきたいと思います。


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