ホーム > 今週のドクターコラム

今週のドクターコラム

No.71
熱中症を防ごう! その1

どの国におられても暑さ対策は重要です。
特に駐在員の方は「ゴルフ」をされる時には要注意です!
 
 
**熱中症の種類を覚えよう**
 
熱中症は、主に次の4つ。
特に多いのは、2の熱疲労です。
 
1 熱失神
皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられます。顔面そう白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどもみられます。脈は速くて弱くなります。
 
2 熱疲労
大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、熱疲労の原因となります。脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられます。
 
3 熱けいれん
大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。暑熱環境下で長時間の運動をして大量の汗をかく時におこるもので、最近ではトライアスロンなどで報告されています。
 
4 熱射病
体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)が特徴で、頭痛、吐き気、めまいなどの前駆症状やショック状態などもみられます。また、全身臓器の血管がつまって、脳、心、肺、肝、腎などの全身の臓器障害を合併することが多く、死亡率も高くなります。
 
 
**熱中症が起こりやすい条件とは?**
 
熱中症の発生には気温、湿度、風速、輻射熱(直射日光など)が関係します。これらを総合的に評価する指標がWBGT(湿球黒球温度)です。
同じ気温でも湿度が高いと危険性が高くなるので、注意が必要です。
 
○ 前日までに比べ、急に気温が上がった場合
○ 気温はそれほどでなくとも、湿度が高い場合
  (例: 気温20℃、湿度80%)
○ 活動場所が、アスファルトなどの人工面で覆われているところや草が生えていない裸地、砂の上などの場合
○ 普段の活動場所とは異なった場所での場合(涼しいところから暑いところへなど)
○ 休み明け
 
つづく


ご相談はこちらから

カテゴリ



バックナンバー