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今週のドクターコラム

No.177
水道水と飲料水~その1


 健康的な食生活についての第2回です。前回は、毎日一定量を摂取しなくてはならない三大栄養素の面から「PFCバランス」についてお話をしました。
 国外に出て水道水を使ったとき、「日本の水と違うな」と感じたことはありませんか? 口当たりが硬かったり、肌が突っ張ったり、シャンプーや石鹸の泡立ちが悪かったり、洗濯物の汚れが落ちなかったり。
 海外滞在時に用心しなくてはいけない問題のひとつに、飲料水の水質があります。安全でない飲料水は伝染病の感染源となりますし、安全性の高い水でも水質によっては下痢や肌質の変化など体調に影響を与えます。

 日本では、水道の栓をひねれば蛇口からおいしく安全な水が出てきます。しかし世界全体を見渡すと、日本のように水質基準が厳しく定められていたり、供給システムが充実していたりする国はほんの一握りと言われています。
 それぞれの国によって、基準やシステムの設置状態は大きく異なり、中でもアジア・アフリカ圏には水道自体が未設置の地域や水道水の滅菌や殺菌が充分に行われていない地域が多くあります。
 また、厳しい水道基準を設けて水道水が飲料に適している諸国からも、水道水汚染に関する報告は少なくありません。世界的に最も水質基準が厳しいとされるアメリカにおいても2008年に抗生物質や抗てんかん薬、ホルモン剤などが水道水から検出されたと報じられましたし、日本の隣国・韓国では口蹄疫感染の家畜の埋葬処分が地下水に与える影響から今年の4月ごろに水道水汚染への懸念が広がりました。

 安全性の高い飲料水としては、ペットボトルなどで提供されるミネラルウォーターや浄水器を通した水が挙げられます。ただし、ミネラルウォーターや浄水器を通した水も、日本の水道水と同じ水質ではないことに注意してください。そもそも水道水の水質や味は、日本国内においても自治体によって異なります。

 水質や味を決める大きな要因となるのが、含有されるミネラルの量です。水1000ml中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量によって、水の硬さ(硬度)が決まります。カルシウムやマグネシウム分の含有量が多ければ多いほど、水は「硬い」とされます。

 

区分 WHO基準 一般的な基準
軟水 0〜 60mg/l 0〜100mg/l
中硬水 60〜120mg/l 100〜300mg/l
硬水 120〜180mg/l 300mg/l〜
非常な硬水 180〜mg/l
WHO(世界保健機構)の飲料水水質ガイドラインによる


 水の硬度は、水源とその地質によって決まります。ヨーロッパなど大陸部では、雪や雨水が長い時間をかけて地層を通る間に地層中のミネラルを吸収するため、硬度が高くなります。日本などの島国では、水が地層に浸透する時間が短いので吸収されるミネラル分も少なく、水がやわらかくなりがちです。
水道水の硬度は、地域の水道局などで公表されているかを確認できます。ミネラルウォーターについては、ラベル等に硬度が記されていることがほとんどです。どの程度の硬さの水が口や体調に合うのかを知ることは、日常的な体調管理としても役立つことでしょう。


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