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今週のドクターコラム

No.195
二日酔い

   年末や年度末など、区切りのいい時期には飲み会がつきものです。というのも、日本人は目に見える形でけじめをつけることが好きな上に、呑みュニケーションという手段が幅広く受け入れられている文化的な背景を持っているからです。
忘年会などが重なる時期に、気をつけたいのが「二日酔い」です。年の瀬で街や人々も浮かれているところがあり、雰囲気に流されて飲みすぎてしまったり、そもそも飲む回数が増えて飲みすぎてしまったり。二日酔いを引き起こしやすい時期でもあるのです。

 二日酔いの原因は、アルコールを分解するときに発生するアセトアルデヒトであるというのは定説ですが、実は二日酔いのメカニズムというのは明確にわかっていない部分が大半です。摂取する分量が同じでも、その時の体調や心理状態、一緒に摂取する飲食物、飲酒時の空腹状態など、さまざまな要因が複雑に関連して酔いの度合いが変化することはわかっています。


 年末の忙しい時期を二日酔いですごさないための対策は、2通りあります。事前の予防と、呑みすぎてしまった後の対処の2つです。

二日酔い予防に効果的とされるサプリメントがあります。ウコン(クルクミン)タウリン、アミノ酸セサミンなどは、肝機能の働きを助けたり正常化を促進したりする効果があります。食べ物でいえば、海産物やゴマ、大根などは肝機能を向上させますし、カブやキャベツなどは胃腸の働きをよくすることで二日酔い予防に一役買います。
また、市販薬「ハイチオールC」「ヘパリーゼ」なども、肝機能強化に役立つとして広く愛飲されているようです。
これらのサプリメントや市販薬の効果の程度は体質や体調によっても異なりますので、予防策として摂取しておいたからといって万全ではありません。体をいたわるための処置をしつつも、呑みすぎないように心掛けることが二日酔い予防には一番です。

それでもつい「呑みすぎてしまった」という人には、一日安静にしていることが一番の藥です。しかし「忙しい時期だし、おちおち休んでなんかいられない」という人には、上記のサプリメント等の摂取に加え、二日酔いの症状を緩和する処置が有効です。二日酔いの頭痛には炎症反応が見られることから、消炎系の鎮痛剤は効果を発揮します。また、二日酔い時には利尿ホルモンの分泌が著しい場合が多く、脱水や低血糖を引き起こしやすくなるので水分をできるだけ摂取することをおすすめします。

最後に、できれば呑む前に自分の許容量を明確にしておくことが、一番の二日酔い対策であることをお伝えしておきます。体重などから、許容量を計算する方法もありますが、酔いの程度は、体格だけでなく体質によるところも大きいので、計算によって導き出された量は参考程度にしかならないと思っていてください。

アルコールの摂取量と酔いとの関係などについてより詳しく知りたい方は、担当ドクターにご相談ください。


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