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今週のドクターコラム

No.199
体温を変化させる食材

  北半球では寒さが、南半球では暑さが厳しくなる時期が到来しました。人間は本来、衣服の調整や発汗によって気温差に対応し、体の中心部を約37℃に保つように機能しています。ところが、現代人は、冬は暖房、夏は冷房をきかせた環境で生活することも多く、低体温症や低体温症ぎみの人が増えてきています。

低体温症とは、体の中心が35℃を下回った状態です。体温が35℃以下になると、筋肉の震えや呼吸困難などが生じ、鳥肌や手足の冷えが著しくなります。低体温症は、進行すると命にかかわる重篤な症状なのです。
低体温症ではなくとも、基礎体温(平熱)が35℃台の低体温(低体温症予備軍)が増えています。人間は低体温だと、新陳代謝が急激に低下します。免疫も下がり、自律神経の乱れも生じます。また35℃前後は、ガン細胞が活発に動く温度であるとも言われています。
低体温は、体の基本機能が不調になる状態だと言い換えることもできるでしょう。

 低体温改善には、エアコンの使いすぎに注意をし、こまめな入浴で汗腺の働きを活発化し、体の温度調整機能を改善することが大切です。
 また、日々の食事を通して体温を調整することもできます。

食材には、体を温める性質を持つものと、体を冷やす性質を持つものがあります。
体温に影響を与える代表的な食材を一覧にすると、次のようになります。

 

体を温める食材
穀物 米、もち米、ひえ、あわ、ごま
野菜 生姜、ネギ、ニラ、にんにく、カボチャ、紫蘇、パセリ、ふき、玉ねぎ、根菜類、イモ類、豆類
果実 梅、桃、りんご、さくらんぼ、ぶどう、ナッツ類
魚介 青魚、赤身の魚、淡水魚、白身の魚、エビ、数の子、イカ、タコ

 

体を冷やす食材
穀物 大麦、小麦、そば
野菜 アスパラガス、大根、ナス、トマト、ほうれん草、きゅうり、レタス、セロリ、筍、こんにゃく、豆腐
果実 柿、梨、すいか、ぶどう、ミカン、レモン、バナナ、マンゴー、キウイ、メロン、パイナップル



おおまかな考え方として、北が原産となる食材は体を温め、南が原産となる食材は体を冷やしやすいと考えられます。
また、どんな性質の食材でも、生で食するよりも加熱調理をして食したほうが体が温まりやすいという点にも留意したいところです。

 基礎体温を上げることは基礎代謝や免疫の向上にもつながります。健康的な生活を送るためには、食事を通じて摂取する食材にも注意してみましょう。
より具体的な食生活へのアドバイスがほしい場合やアレルギーなどの心配がある場合は、担当ドクターにご相談ください。


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