ホーム > 今週のドクターコラム

今週のドクターコラム

No.198
冬太りの原因と対策

  冬の時期というのは、なぜだか「太りやすい時期」として知られています。しかし、実は冬の時期というのは、外気の温度が低いなかで体温を上げようと基礎代謝があがるため、エネルギー効率から考えると「やせやすい時期」なのです。

それでは、なぜ多くの人が「冬太り」を実感するのでしょうか?
大きな原因は、ふたつあります。ひとつ目が、食生活の乱れです。冬はクリスマスや年末年始でイベントごとも多くあります。忘年会や新年会など、ふだんとは違う飲食の機会が増えます。そういったことの積み重ねが、ふだんよりも摂取カロリーを多くする食生活の乱れにつながるのです。
大きな原因のふたつ目は、運動量の低下(運動不足)です。気温が下がるこの時期になると、体を動かすことを億劫に感じがちです。外に出る機会を減らしたり、家の中でも動く頻度が減ったりすることで、運動量が少しずつ減ってしまうのです。
食生活の乱れと運動不足が掛け合わされることによって、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが大きく崩れ、結果として「冬太り」が起きることになります。夜遅くまで飲んだり食べたりすることで朝食を抜きがちになるだけでも、基礎代謝は落ちてしまい、太りやすくなってしまうものなのです。

「冬太り」の代表格に「お正月太り」があります。「冬太り」を実感することが多いのがお正月明けのため「お正月太り」と呼ばれるのですが、「お正月太り」の原因はクリスマスや忘年会の時期にまで遡ります。早い人だと、11月末の感謝祭の時期から始まっているかもしれません。

冬太りを最小限にくいとどめるには、宴会や会食のある日の翌日を野菜中心の食事と運動量多めにするなどの工夫が必要になります。
さらに、食事やおやつなどを食べ続けないことを意識し、体重計に乗ることも「冬太り」予防につながります。食べる時間に間隔を持たせて空腹の時間を作ることは血糖値を下げることにつながり、空腹シグナルが正常化しやすくなります。また毎日同じ時間や一日に何度か体重を測定することで体重の変化を意識でき、食べすぎなどを抑制することができます。また、体型の変化に気づきやすくするために、ゆったりめの服装を避けることも効果的です。

「気をつけていたはずなのに太ってしまった」「気を抜いた数日で『冬太り』」など冬太りを実感してしまった場合の対処は、バランスの取れた食事と多めの運動しかありません。寒いからと縮こまっていないで、こまめに体を動かすように心がけましょう。激しいスポーツに身を費やす必要はありません。積極的に外出したり、出先で少しよぶんに距離を歩いてみたり、エスカレーターやエレベーターを極力使わないようにしてみたりするだけでも、変わってくるはずです。
また、冬太り解消の方法としては、体を温めることも重要です。体を温めること自体が代謝(消費エネルギー)をあげますし、体が温まることで脂肪分解酵素の働きがよくなります。食材の性質(体を温めるか冷やすか)を考えながら食事をしたり、ぬるめのお風呂にゆっくり入ったり、有酸素運動をしたりすることで、体を温めることができます。


食生活や運動量の改善には、個々人の体質や体調も大きく影響します。「冬太りがどうしても気になる」「なんとか効果的に解消したい」という場合には、担当ドクターにご相談ください。


ご相談はこちらから

カテゴリ



バックナンバー