No.117
南アフリカでの病気予防
2010FIFAサッカーワールドカップ・南アメリカ大会が6月11日に開幕しました。
親善試合等では連敗が続き、サッカー人気の低下は進み、今大会における岡田監督率いるサムライジャパンへの国民の期待度は低いように思います。
それでも、日本や海外諸国から現地観戦に向かう熱きサポーターの方々も多くいることでしょう。
ところで開催地の南アフリカ。
ワールドカップの開催地になるだけあって、将来有望な経済振興国として注目されていることは言うまでもありません。
金とダイヤモンドに象徴される鉱業が代表的で、日本人の駐在員、出張者は近年じわじわ増加しています。
今いらっしゃる国から、南アフリカへ出張するケースも少なくないでしょう。
そこで、今回は、南アフリカに出張、あるいは駐在する際の注意事項をお話します。
【寒暖の差】
「アフリカ」「南」と聞けば朝から晩まで、年がら年中暑い国、と思いがち。
しかし、年間で寒暖の差が25度もあります。
南西部の地中海性気候から、内陸部の高原的なもの、北西部の亜熱帯性気候と、気候はさまざま。
北西部では、狭い地域ながら砂漠の気候にあたる場所もあるそうです。
ただし、ほとんどの都市は温暖で、昼に暖かく、夜に冷え込む気候です。
従って、風邪をひいてしまう方が多いというのが特徴。
【食べ物】
◇果物
市場や屋台等でハエがたかったり、切り売りの果物は避けましょう。
食中毒の心配があります。
◇生もの
日本と同じような感覚で刺身・生ガキ・生ウニ等の生ものを食べるのは、開催中の6月〜8月であれば心配は要りませんが、夏季の気温の高い時期には避けた方が無難でしょう。
沿岸の都市では日本料理店もあり、刺身もだされるようですが、衛生状態の悪い店では食中毒の危険があるので注意しましょう。
◇生水・氷
安全で良質ですが、日本の水と違い、若干硬質なので胃腸の弱い人は、下痢などを起こすことがあります。そういった場合はボイルドウォーターをお勧めします。
【高山病】
スタジアムがあるプレトリア(標高1,400m)やヨハネスブルグ(標高1,800m)は高地にあります。最初にこの地に訪れる人は軽い高山病にかかることがあります。
頭痛、吐き気、思考力の低下などが症状です。
このような症状が現れたら、決して無理をせず、過激な運動は避け、すべてゆっくりと行動するよう心掛けて下さい。
【重要ポイント】
いずれの症状も、必ず食中毒であったり、高山病であったりするわけではありません。
日本にはない流行病に、抗生剤の乱用などの素人療法で逆に治療が遅れ、取り返しがつかなくなる危険があります。
一時的に日本より持参した市販薬を使用するには問題ありませんが、体調に異常があるときは、速やかに現地の病院を利用しましょう。
日本にはない流行病にかかりやすい。
医療技術が必ずしも高くないため、安易にかかるのは心配。
一時的に日本より持参した市販薬を使用するか、どうしても辛い症状があったら、まず、我々ジェイアイドクターにご相談ください。
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