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今週のドクターコラム

No.82
緑茶の香りでリラックス

海外での生活は、自分でも気がつかない緊張に包まれているもの。
たとえ、海外での生活を楽しく感じていても、潜在的な疲れは国内以上に溜まっているのです。
 
そこで、是非、御勧めしたいのが日本の緑茶です。
 
お茶の香り成分の種類は極めて多く、緑茶で200種類、紅茶で300種類以上にもおよびます。
 
しかし、量的には微量で、精油(せいゆ)と呼ばれる香気物質の量は緑茶で約0.005%、紅茶で0.02%程度です。
 
本来、生葉には香りが少ないのですが、摘採と同時に酵素が働くことによって茶葉成分が分解されて香りの成分が生成されます。
 
ただし、緑茶の場合は、摘採後すぐに発酵を止める特性があるため、香り成分の生成は少なく、しかも荒茶製造工程中に香り成分の多くが揮散するため、極めて繊細な香りとなります。
 
お茶の香りが良くなるのは、後火(あとび)製法によるもので、加熱することでアミノ酸と糖類が反応して、火香(ひか)という香ばしい香りが生成されます。
 
また、玉露やてん茶、高級煎茶などの高級茶では、加熱によってビタミンUを生成します。
 
ビタミンUは胃腸薬などの主成分となるもので、胃潰瘍に有効なビタミン様物質です。高級茶の火香に特有な“青海苔”のような芳香は、ビタミンUが分解したときに出る香りです。
 
こうした香りの成分は、数々の研究で、疲労感の軽減、意欲の改善とともに自律神経系のバランス異常の是正に有効であることが示されています。
 
最近、大抵のところでお茶を購入できると思います。
 
是非、ちょっと高くても、美味しいお茶を買って。
味もさることながら、疲れたときこそ、ゆっくり香りを楽しんでください。


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