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今週のドクターコラム

No.190
坐骨神経痛

寒い時期や無理をした後などに、襲ってくる足の痛み。お尻から太ももの後ろやふくらはぎに痛みを覚えたり、しびれを感じたりするのが、「坐骨神経痛」です。

現代病・現代文明病と呼ばれるもののひとつとしても広く認知されている「坐骨神経痛」ですが、この「坐骨神経痛」というのは正式な病名ではなく、症状を示す言葉であることはあまり知られていないかもしれません。
腰から足にかけて通っている太い神経が「坐骨神経」で、何らかの原因で坐骨神経が過度に刺激されることでしびれや痛みが生じます。これが、「坐骨神経痛」です。原因もさまざまならば、症状が表れる場所、症状自体も人によって異なります。また、同じ人でも気候や体調によって、症状に変化がある場合も少なくありません。


坐骨神経痛を引き起こす原因としては、大まかに次の3つに分かれます。

 1.骨や筋肉の問題
 2.内蔵疾患の影響
 3.原因不明

20代〜50代にかけて、もっとも多くみられるのが、骨や筋肉の問題です。特に、椎間板ヘルニアが原因となり、坐骨神経の付け根が圧迫されて痛みが起こるケースは多いようです。ぎっくり腰慢性の腰痛なども、坐骨神経痛の原因となります。
骨のゆがみなどが原因となってしまっている場合には、慢性的に坐骨神経痛を繰り返すことになり、重症の場合には外科的な手術によって対処する必要が生じます。

内蔵疾患の影響としては、糖尿病や動脈閉そく症、腫瘍などが原因となります。処置せずに放っておくと状態が進んで取り返しがつかなくなる場合もあるので、年次の健康診断などでも数値に気を付けたり、定期的にドクターと面談や相談の時間を取るなどの対策で早期の発見や治療ができることでしょう。

坐骨神経痛のなかには「症候性坐骨神経痛」と言って、通常の坐骨神経痛とは異なり、神経の圧迫が見られないケースがあります。この「症候性坐骨神経痛」に場合には、原因を突き止めることが非常に難しいとされています。


坐骨神経痛は、自覚しやすい反面、比較的軽い症状で収まることも多いため、正しく対処されずに放置されがちです。
しかし場合によっては、下半身の感覚がマヒしたり、歩行障害が生じたりするほど重篤な状態にまで進行してしまいます。
坐骨神経痛は、ガマンをしているだけでは悪化の一路をたどるだけです。長期の入院が必要な状態まで悪化する前に、下半身に慣れない痛みを感じ時点で素早く担当ドクターに相談することが大切です。


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