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今週のドクターコラム

No.225
“飲みすぎ”による脱水に注意

 熱中症の主原因として、発汗などによる脱水症状があります。脱水症状を防ぐために水分補給が必要なことは広く知られていますが、間違った水分補給が脱水症状を引き起こす要因になることはあまり知られていません。


では、どういった水分補給が、間違っているのか?

脱水症状を引き起こす飲み方の例を3つ挙げておきましょう。
・大量の水分をがぶ飲み
・お茶やコーヒーによる水分補給
・アルコール類の摂取


●大量の水分をがぶ飲み
一度に大量の水分を取っても、体が一度に取り込める水分量は限られています。摂取した水分の大半が体を素通りして体外へ排出されてしまう(=水分補給にならない)だけでなく、胃に水分がたまったり心臓や腎臓に負担がかかったりして、痛みやだるさを引き起こすこともあります。

●お茶やコーヒーによる水分補給
お茶やコーヒーなどはカフェインを含むため、利尿作用によって水分の排出が促進されてしまいます。ウーロン茶やコーラ、ココア、栄養飲料なども、カフェインを多く含むので、過剰に取りすぎないように注意が必要です。

●アルコール類の摂取
アルコールにも利尿作用があり、尿の排泄の回数が多くなり、自然と水分の排出が促進されます。さらに、アルコール分の分解にも体内の水分が活用されるため、脱水症状を引き起こしやすくなります。摂取したアルコールの2〜3倍の水分を補給するように気をつけましょう。


夏場や熱い場所で気をつけたいのは、のどが渇いたと感じる前に、こまめに水分補給をするということです。


また「飲み物」だけでなく、 ゼリーなど水分量の多い食べ物による水分摂取も効果的です。

近年は、体液に近く吸収の早い「経口補水液」も発売されているので、いざというときのために常備しておくのもいいでしょう。


心臓や腎臓の疾患などは水分摂取に制限がともなう場合もあります。自分に適した水分補給スタイルについては、担当ドクターまでお気軽にご相談ください。

 


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