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今週のドクターコラム

No.147
寝付きが悪いとは?

毎日のお仕事に疲れて、睡眠時間を欲している人ほど、『寝付きが悪くて困っている』という方が大勢いらっしゃいます。
睡眠今回はこの「寝付き」という感覚についてお話しします。
 
 
 
 


実は「寝付きが悪い」という状態の明確な判断基準はありません。
では一体、寝付きの悪さに困っている患者がいるときに、医師は睡眠について何を聞いているのか。
「寝付きが悪いかどうか」というのは、実は本人の『主観』によるもので、『時間』ではかられるものではないのです。
ベッドに入ってから寝付くまでの平均時間はほとんどの人が30分を越えず、10分から15分で眠りにつきます。平均時間をオーバーし、眠りにつくまでどれだけ時間がかかったとしても、不快感・不安がなく、翌朝の気分がスッキリとしていれば「寝付きが悪かった」とは言わないということです。
 
逆に言うと、ベッドに入ってから結果的に30分以内に眠りについたとしても、その間に「眠れない、寝付きが悪い」という気持ちが強ければ、それは不眠である、といえます。
 
要するに、【寝付きの悪さはメンタル面に大きく左右される】ということです。
例えば、「ここのところほとんど毎日眠れていない」と訴える人がいて、本人の脳波を調べて、きちんと睡眠がとれているという結果が出たとします。そして、グラフデータ上の結果を見せて「あなたはちゃんと眠れていますよ」と説明することで、「自分はきちんと眠れているんだ」と安心することから、その日からぐっすりと睡眠をとる事が出来るようになるという実験結果があります。
これが「寝付きが悪い」の真実なのです。
 
とはいえ、メンタル的な問題だからこそ、眠りたいのに眠れないのは辛いもの。
そんな「寝付き」にお悩みの人達の対策の一つとして、『自然と眠くなるまで、起きて活動する』という解決方法があります。
 
ベッドに入り眠りにつくまでの間、「昨日も眠れなかったから、今日も眠れないにではないか」「今日眠れなくて明日は寝不足で辛いかも」と、睡眠に対してマイナスなイメージをすり込んでしまうことで、気持ちが焦り、ますます眠れなくなってしまうというサイクルに陥ってしまいます。じっとしたまま不安を打ち消すのはなかなか難しいものです。
であれば起きて活動してみましょう!
 
次の日の日中にどうしても眠くなってしまったら、20分以内の仮眠をとるようにしましょう。
30分以上とってしまうと、睡眠のリズムを崩してしまい、その日の夜再び寝付きの悪さを感じる事になってしまいます。
 
他にも「寝付きの悪さ対策」はあります。
 
『朝の起床時間を徹底的に統一する』
眠りにつく時間ではなく、起床時間を揃えることで睡眠のリズムは保たれます。
休日も、出勤日と同じ時間に起きるように心がけましょう。
 
『一日の中で体温が下がる時間を利用する』
体温が下がる時間帯は気持よく睡眠に入るチャンスです。
眠る2・3時間前に入浴したり、軽いストレッチをすることで体温を上げ、その後体温が下がる落差を利用しスムーズに眠れる事ができます。

睡眠はメンタルヘルスと密接な関係にあります。
どんな事をしても睡眠のトラブルから解放されない、ぐっすりと眠りたい!など困っている方は、是非、ジェイアイドクターへご相談下さい。


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