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今週のドクターコラム

No.194
季節性インフルエンザ

 突然の高熱と、体全身に訪れる倦怠感や鈍い痛み。毎年、大流行するインフルエンザの典型的な症状です。
原因となるインフルエンザウイルスが低温に強いことから、北半球では例年12月〜2月ごろの時期に大流行となります。また、冬の乾いた空気もインフルエンザの流行を助長するとされています(南半球でも同様に、気温が低く、乾燥した時期に流行が起こります)。

 インフルエンザウイルスは、感染している人のくしゃみや咳などで空気中に吐き出された微粒子が、息を吸うことで体内に取り込まれる「飛沫感染」によって拡大します。人ごみなどは、感染しやすくなるといえます。
そのため、簡単で効果的な予防方法としては、外出するときにマスクをすること、外から帰ったらうがいをすること、こまめにしっかりと手を洗うことなどがあります。
また、予防接種による対策も効果的です(ただし、予防接種をしてから効果が出るまでに数週間程度の時間がかかるので、流行前からの早めで計画的な接種が重要になります)


インフルエンザに感染してしまったら、早期の対応が重要です。
まずは、医療機関を受診しましょう。インフルエンザウイルスの増殖を抑制する「抗インフルエンザ薬」を用いることで、症状の長期化や悪化を防ぐことができます。しかし、「抗インフルエンザ薬」は、発症後48時間以内に投与しないと効果が出ないとされています。
次に、自宅で療養する際の注意事項としては、次の3つがあります。

 ・十分な休息
 ・水分をよく取る
 ・あたたかく、湿度のある環境

周囲の人への感染を防ぐ意味でも、こまめな手洗いやうがいも大切です。また、マスクの着用は、周囲への感染予防になる上に、感染した人自身ののどのうるおいを保つことなどにも役立ちます。

なお、インフルエンザに感染した人から周囲への感染は、発症の前日から症状が軽減した2日後くらいまでの間とされています。職場や学校に復帰した後も、手洗いやうがいを心がけ、咳やくしゃみなどには注意を払うようにしてください。
マスクの着用は、周囲への感染を防ぐのにも効果的ですが、国や地域によっては人前でのマスク着用が好ましくない場合もありますので、お住まいの文化や慣習などをよく確かめましょう。

 繁殖力の高いインフルエンザは、わずか1日の放置でより重症を引き起こします。突然の発熱や全身の痛みを覚えたら、まずインフルエンザを疑ってみましょう。早期の対応として、担当ドクターに状態を伝えることも有効です。


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