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今週のドクターコラム

No.156
ふくらはぎは第2の心臓

高血圧に気をつけましょう。
 
という言葉は良く耳にしますが、低血圧はどうなのでしょうか?

低血圧とは、正常より血圧が低い状態の事をいい、脳卒中などを招きやすい高血圧に比べるとあまり問題視されていません。
 
低血圧の診断は、最高血圧が100〜100mmHg以下の場合です。
血圧が低いだけで特に身体的な問題がなければ心配する必要はありませんが、
低血圧は、血圧が低下していることで、脳へ供給される血液が減少するためにさまざまな症状が起こります。
 
特に立ち上がる際に血圧が低下する起立性低血圧では、

めまい、
立ちくらみ
 
は80%以上にみられる症状です。
重症の場合には失神することもあり、転倒や骨折の危険もあるなど注意が必要です。
 
 
【低血圧によっておこる様々な症状】
 
◇ 頭痛
頭痛、頭重感は低血圧の方の訴える症状としても頻度が高いものの一つです。
低血圧の人が日常経験する頭痛には概ね3つがあります。
1番目は緊張型頭痛、2番目が偏頭痛、3番目は原因不明の低血圧に非常に関連した頭痛です。
 
◇ 吐き気、腹痛、胃の不快感
低血圧では、消化器系の症状を伴う事があります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の方には低血圧が多い事も知られています。
 
◇ 全身倦怠、慢性疲労
カラダがだるく疲れが取れないといった症状は、低血圧に限らずほとんどの病気でみられます。
 
◇ 朝起きられない
朝起きるのが辛い。午前中は調子が悪く、ふらふらするという症状が出やすくなります。
 
◇ 睡眠障害
朝起きるのが辛いため、生活リズムが不規則になり、睡眠障害が生じると言われています。
 
このように、あまり病気として扱われない低血圧ですが、実に様々な症状を起こす事がわかります。
低血圧の改善には必要に応じた「薬物療法」と共に、「日常生活の改善」がポイントになります。
 
*お薬*
低血圧の症状を改善するお薬は昇圧剤、自律神経調節剤などがありますが、血管を収縮するタイプの薬もあり、薬による治療の幅は広がっています。
 
* 日常生活での注意点*
◎朝、起きるのが辛いのでついつい布団から抜け出せませんが、
目覚めたら少しずつカラダをならし、ゆっくりでも良いのでカラダのリズムを作りましょう。
◎ お風呂はぬるめがベスト!
低血圧の人はぬるめのお風呂にサッと入りましょう。長湯と熱い湯は禁物です。
◎ 3食バランス良く
食欲不振になりがちですが、タンパク質やミネラルを意識的に取り、食後はゆっくり休みましょう。
◎ 下半身の筋力アップがポイント!
下半身の筋肉はポンプの働きで血液を心臓に送り戻す役割があります。
下半身の筋力アップは低血圧の改善によい効果が期待できます。
 
まずは日常生活を見直し、必要に応じて医師の診察を受けるようにしましょう。
不快な症状は、日常生活を見直すことで少しずつ改善か期待出来るでしょう。

 


 


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