No.52
海外駐在員に増える「大腸ポリープ」
最近、「大腸にポリープが見つかりました」という海外駐在員とご家族からのご相談が増えています。
日本では40歳以降に多かったのですが、海外駐在の方は30歳代からもご相談を受けます。
結果的に日本に帰国していただき手術するのですが、1ヶ月くらいは調子があがらず、仕事の能率にも影響がでてしまい、ご本人にも会社にも大きなダメージとなります。
そこで、今回と次回の2回にわたって大腸ポリープをとりあげます。
チェックテストもこちらのサイトに掲載していますから、一度自己診断なさってください。
■ポリープの原因は?
日本人の大腸ポリープの原因として考えられるのが、
* 食生活の欧米化
* 動物性脂肪の摂りすぎ
* 糖分の摂りすぎ、
* 食物繊維の摂取が少い
* 睡眠不足
* 慢性疲労
* 排便時の便の刺激
どうですか?最近の食事、あてはまっていませんか?
こうしたことから大腸への負担が大きくなったことと密接な関わりがあるとされています。
また、排便時の硬い便の刺激がさまざまな刺激となり、ポリープを発生させる原因になるとも考えられています。
■ ポリープって癌?
大腸ポリープには腫瘍性のポリープとそうでないポリープがあります。
大腸ポリープの80%が腺腫(せんしゅ)性のポリープ。
診断は大腸内視鏡で組織をとって確定します。
腺腫性ポリープは現在は良性ですが、将来癌に変わる可能性があるので切除が必要なのです。
というのも、大腸では腺腫の一部から癌に変わっていくことが多いので、胃のようにポリープの一部の組織をとって良性なら放置する、ということはしません。
まずはポリープ全部をとって、その中に癌に変わっている個所がないかどうか、確認する必要があるからです。
よく、「ポリープ=癌」ですか?と聞かれますが、癌ではなく、癌に変わっていく可能性がある腫瘍と捉えておくとよいでしょう。
大腸ポリープは、直腸に最も多く、次に直腸に近いS状結腸に多く発生します。
先に述べましたが、年齢的には40歳以降に多くみられ、高齢になるほど増える傾向にあります。
■ ポリープの自覚症状は?
ポリープが小さいうちにはほとんど無症状ですが、大きくなるにつれて、腸の内容物がポリープの表面を刺激するため、傷ついて出血し、便に血が混じったり腹痛を感じることもあります。
しかし、わずかな出血の場合には肉眼では気がつかないことも少なくありません。
以下の症状がみられたら大きくなっていることのサインですので、すぐに検査をする必要があります。
1. 原因不明の腹痛があるとき=特に下腹部を中心としてしぶる痛みのとき
2. 明らかな便通の変化があるとき=ふだん便秘の人が下痢しやすくなったとき、ふだん下痢しやすい人が便秘するとき
3. 明らかな出血が便に混じるとき=とくに便が赤黒いときや、痛みを伴わず真っ赤な出血が多いとき = 痔と間違う方が多い
次回に続く
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