睡眠薬の正しい知識
睡眠薬に依存してしまうのでは…というご質問をよく受けます。
今回は、特にご相談の多い睡眠薬について説明しますね。
Q:飲めばいつでもすぐに眠れるか?
A:睡眠薬は、睡眠に入るために脳を鎮めるGABAの活動を助ける役割をしています。
眠る体制になっていない時間に飲んでも急に眠れるものではありません。
普段の就寝時間の2~4時間前は特に効果が出にくい時間帯です。
薬を使って早寝をしようとすると、効果が得られにくく、翌朝の寝起きがかえって悪くなってしまいます。
Q:飲み始めるとやめられなくなるか?
A:現在の睡眠導入剤は依存性が低いですが、6ヶ月以上継続して使用しているとやめにくくなる傾向があります。
服用を開始して、良好な睡眠を1ヶ月キープできたら減量を考えていきましょう。
Q:途中で目覚めてから飲んでも良い?
A:途中で目覚めても、30分以内に再び眠れていれば、薬を服用する必要はありません。
一時的には、超短時間型の睡眠薬を使用する場合もありますが、途中で目覚めてからの薬の服用を続けても、
途中で目覚めることの改善にはつながりにくいです。
Q:長く飲んでいると効かなくなる?
A:薬に対する耐性形成は軽いですがあります。
飲み忘れてしまったり、急に減量をすると不眠が悪化してしまい、薬に対して不信感をもってしまいがちです。
不眠が悪化したことで焦って増量しないことが大切です。
経過を2週間ごとドクターと確認しあいながら、3〜6ヶ月をかけて調整していきましょう。
<睡眠リズムを整えよう!>
睡眠のリズムを整えるために大切なのは、例えば次のようなことです。
・夕方の時間(起床から11時間後あたり)には眠らない(特に休日)
・眠る1時間前には入浴や体操で体を温め、眠くなったタイミングでベッドに入る
・寝室やベッドに眠りに関係ない物を持ち込まない
・休日に寝だめをしたいときは、平日と同じ時間に部屋を明るくして二度寝する
リズムを整えていれば、睡眠薬の効果は高まります。
睡眠薬を使用して1ヶ月安定して眠れたら、ドクターと相談しながら離脱を始めましょう!
睡眠薬の使用方法や離脱に関することなど、ご不明な点は、お気軽にご相談くださいね。