睡眠不足と風邪の意外な関係
私たちヒトは、独立した一個の生物のように感じていますが、実は無害な微生物が何兆個も集まってできています。
この微生物が食べ物の消化を助け、免疫を調整し、病原菌を撃退するなどの働きをしてくれています。
風邪ウイルスがこの微生物の集合体の一員になろうとして入り込むと、当然自らを繁栄させようと増殖を試みます。
こうして私たちは風邪をひきます。
風邪をもっとも効果的に予防する方法は何でしょうか?
それは「顔を触らない」ことです。
手についた菌を目や鼻や口などの粘膜に届けてしまう行為をやめればいいわけです。
簡単なことのようですが、これが難しい。
PC作業中の人は、5分に1~3回、顔を触るというデータがあります。
1日に換算すると200~600回!となりの人を観察してみてください。
首元や眉毛、目や鼻を触っていませんか?
わざわざ病原菌を粘膜にとどけてしまう。なぜ、無意識にこんな行為がされるのでしょうか?
実は、睡眠が不足すると、顔に触る回数が多くなります。
脳の覚醒を維持する物質に「ヒスタミン」という物質があります。
よくかゆみ止めや鼻炎薬に使用される抗ヒスタミン剤はこのヒスタミンを抑える作用があります。
睡眠が不足している状態で、無理やり脳を覚醒させると、ヒスタミンが増加します。
すると、触覚に敏感な個所がかゆくなる。
会話中に、首元を触ったり、頬を触ったりしていませんか?
これは睡眠が不足しているサインです。
睡眠が不足した状態で、PC作業のような脳を覚醒させる行為をすると顔に手がいく回数が増える。
すると、病原菌が体内に侵入し、しかも睡眠不足によって免疫力は下がっている。
すごくハイリスクな状態ですね!
大切なのは無自覚な行為に気づくこと。
日常のちょっとしたサインをキャッチして自分のコンディションをモニターできれば、
体調不良ややる気の低下より、はるかに前の段階で対処できます。
頭では分かったけど、やっぱり顔を触っている…。
この感染の対策として出てくる方法が「手洗い」です。
睡眠が十分とれて、脳を覚醒させても顔をさわることなく、さらに手洗いができていれば、バッチリですね。