元気なときこそ睡眠強化を
企業での睡眠マネジメント講座では、
睡眠を心理現象でなく生理現象としてとらえるというお話をさせていただいています。
ストレスチェックやメンタルヘルス対策で、「眠れていますか?」と聞かれるので、
「眠れない=心理的ストレス」と認識している人も多いと思います。
睡眠とメンタルヘルスについて、整理しておきましょう。
すべてのメンタルヘルス不調は、睡眠の乱れから起きる場合がほとんどなので、
メンタルヘルス不調を「発見する」という目的の場合は、
睡眠の乱れ=メンタルヘルス不調の高リスクと考えます。
これは不調を見つける「早期発見」を目的とした考えです。
それに対して、不調を起こさない予防の考えでは、
心理的な問題を先に扱うと具体的な対策ができず出口が見えにくくなります。
心理的な問題の対策として、睡眠薬を処方されることも多く、
そのような場合、睡眠改善はメインの課題ではないので、薬を飲み続けることになってしまいます。
不調を早期に発見して、病院の受診につなげる医学モデルでは、
病院につなげた後、社員の方々が薬を飲み続けて復職できない例が多くなりがち。
これを防ぐために、元気に勤務しているときに、
睡眠改善の具体的な方法を習得していただく教育モデルとして、企業内での睡眠研修が役立ちます。
睡眠を「体の問題」ととらえ直せば、病気であろうと元気であろうと、
眠ることには変わりないので、すべての人を対象にすることができます。