朝の光で季節の変わり目の体調不良を防ぐ
睡眠時間は常に一定ではありません。
私たちの細胞に存在する時計遺伝子は、朝の光を感知するとそこから計算して眠くなる時間を決めます。
つまり、日照時間によってそのときに必要な睡眠時間が決まるのです。
日本の四季で考えると、日照時間が短くなる冬の季節は睡眠時間が長くなります。
反対に、日照時間が長くなる夏は睡眠時間が短くなります。
このように、毎日最適な睡眠時間が時計遺伝子によって計算されているので、
「常に8時間眠らなければならない」という考えは持たないようにしましょう。
その土地の日照時間に合わせて睡眠時間は変動して良いのです。
【カレンダー遺伝子が未来の準備を】
私たちの細胞の中には、時計遺伝子の他に、カレンダー遺伝子があります。
これは、朝の光と夕方の光で、季節による日照時間の変化を感知し、次の季節を迎えるにあたって体の準備をするというもの。
例えば、日本では1年のうちで季節の変わり目がもっとも体の負担になるのが「春」。
急激な気温の上昇により、体が活発に動けるように調整を強いられます。
そこで、日照時間が徐々に長くなりだす2月下旬から3月上旬にかけて、朝と夕方の光を感知すると体が「春モード」になっていきます。
【季節の変わり目を乗り切るには朝の光を】
カレンダー遺伝子によって体は季節を前倒しで調整されている。
このカレンダー遺伝子をうまく活用すれば、季節の変わり目に体調を崩してしまうのを防げるということです。
その方法は実に簡単。
目覚めたら、窓から1m以内に入ること。
朝の光を脳に届けることは、時計遺伝子をスタートさせるだけでなく、今の「朝」がいつから始まっているのかをカレンダー遺伝子に知らせることになります。
季節を前倒しすることは体が勝手にやってくれますので、私たちは、「今日」のリズムを整えるだけです。
今日のリズムを整えれば、未来の準備が始まる。
私たちの体の働きは実に効率的ですね。