睡眠と腸内細菌の関係は
【睡眠と腸内細菌の関係】
緊張するとお腹が痛くなる。
そんな経験をした人は多いと思いますが、お腹の調子は、
私たちの睡眠や脳の働きに深くかかわっているようです。
最近、睡眠の乱れが腸内細菌に影響することが明らかになっています。
時差ぼけ状態の人の腸内細菌を調べると、夜に増える細菌が減り、
昼に増える細菌が増えていました。
腸内細菌には、1日のうちで増えたり減ったりする日内変動があります。
これは、生体リズムに腸内細菌が影響を受けているからだ、と考えられるのですが、
反対に、腸内細菌によって睡眠のリズムを回復させることができるのでは、
という考えがあります。
睡眠障害を呈しやすい慢性疲労症候群の方は、腸管バリア機能の低下しがちになります。
そんな慢性疲労症候群の方々に、腸管バリア機能を回復させる薬を投与した実験では、
腸内細菌叢が変化し、睡眠の質が向上したと回答した人が有意に認められています。
また、健康な人を対象にした実験でも、腸内細菌に変化を与えると、
睡眠の改善に繋がる可能性を示されています。
【不安な気持ちは腸内環境のせい?】
また、不眠を呈する気分障害の方は、消化管細菌叢が変化していたとする研究があります。
その一方で、複数のプロバイオティクス(生菌)を含むヨーグルトを摂取した人の脳では、
不安な状況に遭遇しても不安反応が起こりにくくなったという実験もあります。
私たちの睡眠や脳の働きは、腸内細菌によってつくられているという知見が集まっているのです。
まずはお腹の調子から整えてみるのが、ハイパフォーマンスの最短距離かもしれません。