月経のリズムと睡眠のリズムの深い関係
女性を悩ます月経前症候群(PMS)。
月経前にイライラしたり、気力がわかなくなってしまうことはありませんか?
実は、月経のリズムは睡眠のリズムと深く関係しています。
まずは月経のリズムについて簡単におさらいをしておきましょう。
月経から排卵までは卵胞期と呼ばれ、エストロゲンが上昇します。
この時期は基礎体温が低いです。
そして、排卵から月経までは黄体期と呼ばれ、プロゲステロンが上昇します。
この時期は基礎体温が高いです。
さて、睡眠の質に重要なのが内臓の温度である深部体温です。
深部体温には、起床から11時間後に最高になり、起床から22時間後に最低になるリズムがあります。
ぐっすりと深く眠るには、眠りはじめの深部体温が急激に下がる必要があります。
この深部体温のリズムは月経のリズムの影響を受けます。
基礎体温が高くなる黄体期では、昼間の深部体温が上がりにくく、夜間に下がりにくくなります。
昼間は元気がなく眠くなり、夜は寝付きが悪くなったり、深く眠れなくなるのです。
月経後卵胞期にさしかかり基礎体温が下がれば、睡眠中の深部体温も下がるようになり睡眠の質は改善します。
「よく眠れるときこそ睡眠の力をつける」
この月経のリズム自体は、何も悪いことではないのですが、
PMS症状がひどくなってしまう人は、ある特徴的な考え方をもっている傾向があります。
それは、黄体期には体がだるく気分もイライラして仕事も家事もうまくやれないので、
卵胞期になって調子がよくなったらその分挽回するという考え方です。
よく眠れるようになった卵胞期に残業をして帰宅が遅くなったり、
家の片づけをして就寝が遅くなると、睡眠の力が低下してしまいます。
その状態で次の黄体期をむかえると、PMS症状がひどくなってしまうのです。
人間の体は、調子が良いときに鍛えると、不調になることが少なくなります。
そこで、深部体温が下がりやすくよく眠れる卵胞期の週にこそ、丁寧に眠る準備をしてみましょう。
眠る前に部屋を暗くして、ストレッチやマッサージで体をリラックスさせるなど、
心地よく眠れるための準備をします。この時期にぐっすり眠れていれば、強くなった睡眠リズムにより、
黄体期になっても調子を崩しにくくなります。
卵胞期の1週間を睡眠強化週間にして、月のリズムとうまく付き合っていきましょう。