睡眠不足だと貯金が減る!?
最近、睡眠不足の人ほど貯金が減る傾向があるとされる調査研究の論文が掲載されています。
普段の生活で、寝不足でお金が減る、ということは自覚しにくいと思います。
ところが、シフトワークの人からは、「夜勤明けにはコンビニやスーパーで余分に買いすぎてしまって、
結局食材を食べきれない」という話を聞くことが多いです。
睡眠不足と貯金には、どんな関係があるのでしょうか。
買い物という行動は、私たちの認知機能の良し悪しがよく反映されます。
予算と買う物を突き合わせ、買う物を覚えていながら1つずつ売り場を探して選び、
買い忘れがないかをチェックする。
その間に、流行の物や特売の商品というイレギュラーな刺激に対して、
予定通り買わない行動をとるか、行動を修正して買うかを判断する。
脳の中では、こんな作業が行われています。
【ワーキングメモリを働かせよう】
買うべき物を頭に入れつつ、1つの商品を売り場から探す。
このような脳の働きを、ワーキングメモリと言います。
単純に記憶して思い出すだけではなく、記憶したものを忘れないようにしておきながら、
別のことに集中して、その作業が終わったらとっておいた記憶を思い出す。
これがワーキングメモリの働きです。
このワーキングメモリは、睡眠不足になると低下することが明らかになっています。
ワーキングメモリが働いていると、「特売!」という表示を見ても、
脳の中で「それは今必要のない情報だ」と判断されて、その表示に注意は向きません。
ところが、ワーキングメモリの働きが低下している人は、
「特売!」という表示に引きつけられて、あっさりと行動が修正されてしまうのです。
これは、寝不足のときほど、今やるべきことではない仕事や家事に手をつけてしまう
ということでも体験しやすいです。
睡眠不足と貯金という一見無関係に思えることは、脳の中では深く関係していると言えそうです。
健康管理だけでなく、お金の管理、という点でも、睡眠改善は欠かせない因子ですね。