リズムを俯瞰して着実な改善を
睡眠が改善してきたときふと寝つけなくなることがあります。
特に原因もわからないのに、ベッドに入ると目が冴えてしまう・・・。
そんなときは、「もとに戻ってしまった・・・」と落ち込みがちですが、
以下の2点に注目をしてみましょう。
①起床2時間前の最低体温時にはうとうと眠っていること。
内臓の温度である深部体温にはリズムがあり、
起床11時間後が最高になって22時間後が最低になります。
深部体温が最低になると起きていられなくなり、うとうとと眠ってしまいます。
寝つけないとベッドの中で悶々としていても、
明け方に少し眠っていたのかもということがあれば、深部体温リズムは崩れていません。
②寝つけなかった翌日の夜に普段より眠気が強くなっていること。
目覚めてから脳脊髄液の中に睡眠物質が溜まっていき、それが充満すると深く眠る。
この仕組みは睡眠圧と呼ばれます。
寝つけなかったということは、それだけ夜に分解できなかった、睡眠物質が溜まっているということ。
翌日にも仮眠をせずに頑張って起きていれば、睡眠圧は最高になって
その晩は眠気を強く感じ寝つきがよくなります。
2日に1回はすんなり寝つけていれば、この睡眠圧が機能していることが分かります。
この2点が満たされていれば、睡眠が悪くなっているわけではありません。
生体リズムは急にパチッと切り替わるように改善するのではなく、
標準となるリズムに同調していくように変化していきます。
そのため、今までのリズムの名残が現れることがあり、それが寝つけない体験になります。
ただ、以前の寝つけなさと比べてみると、それほど嫌な気分がなかったり、
翌日にはよく眠れているという変化はあるはずです。
自分のリズムを俯瞰して見ることで、無駄な焦りを回避すれば、
着実に改善しているリズムを冷静に見つけることができますよ。