猫背では脳が情報に振り回される!?
テレワークになってから1か月程度経過すると、
最初の緊張感が薄れて、徐々に好きな姿勢で作業するようになりがちです。
最近、「テレワークだと作業中でも横になってしまい、
横になるとだらだら無駄な情報を見続けて時間が経ってしまう・・・」
という相談が多いです。
これは、他人の目がないことで緊張感が少ない、という理由だけではありません。
作業の姿勢と脳の働きは、実は、密接に関係しています。
仕事中に特に使われる能力が、ワーキングメモリです。
ワーキングメモリは、集中を担う背外側前頭前野(DLPFC)に対して、
前帯状回(ACC)が見聞きした情報を選別することで、
雑音や邪魔が入っても目の前の作業に集中できる力です。
このDLPFCとACCの関係をおおもとから支えているのが、上頭頂小葉という部位です。
この部位は、作業をするときに、その作業に最適な動作や姿勢をつくる役割を担っています。
【デジタル作業の基本姿勢をセットする】
楽器の演奏やスポーツ、芸術活動や制作活動をする場合は、
姿勢が整わないとその作業の出来が悪くなることがわかりやすいです。
まずは姿勢が基本。こんな標語がすんなり受け入れられます。
ところが、デジタル作業では、作業の出来・不出来と姿勢との関係が分かりにくいです。
どちらも脳が行う作業なので、姿勢が重要なのは当然。
デジタル作業中に余計な情報に目を奪われないためには、
デジタル作業の基本姿勢をセットしておく必要があるのです。
とはいっても、姿勢を正す、というのはなかなか難しいことなので、やることは1つだけ。
肛門をしめる。
これだけです。
解剖学的な仕組みから肛門をしめると、猫背になれませんし、
椅子に座っているときに脚を組むことができません。
デジタル作業中には肛門をしめる。
これだけで、情報に振り回されることなく、自ら主体的に情報を扱うことができます。
姿勢の崩れは、当然体温の低下を引き起こします。
日中の体温が十分上がらなければ、睡眠の質も悪くなってしまいます。
なかなか外出して運動量を確保することが難しい中、
作業中の姿勢を使ってしっかり日中の体温を上げておくことも、
良質な睡眠の確保に役立ちますよ。