睡眠を勉強効率アップに活用する
【睡眠を使って勉強の効率を上げる】
勉強中のときは、眠る間を割いてでも勉強時間に充てたいもの。
ところが、睡眠中にも記憶の定着作業が行われています。
深い睡眠である徐波睡眠でも、第2段階の睡眠中に紡錘波という脳波が観察されるタイミングでも、
レム睡眠中にも記憶の定着作用は確認されています。
昼間に側頭葉に貯め込まれた記憶を別の皮質領域に転送したり、
既存の記憶と結合したり、不要な記憶を消去したり。
そんな作業が睡眠中に行われるので、夜中に粘ってなかなか解決できなかった問題が、
眠った後にはすんなり解ける、なんていう経験をします。
勉強を効率的に行うには、睡眠中の記憶定着作用を使わない手はありません。
ところが、この記憶定着作用が阻害されてしまう日常の習慣があります。
【記憶定着が阻害される2大要因とは】
睡眠中の記憶定着作業は、起床を担う物質、コルチゾールの過剰分泌で阻害されます。
コルチゾールは、よく「ストレスホルモン」という名称で呼ばれることがあります。
ストレスがかかったときに、神経細胞にかかるダメージを最小限に抑えるために分泌が増えます。
このときに、唾液を抽出するとコルチゾールの増加が確認できるので、
ストレスマーカーとして使用されています。
コルチゾールは、適切に分泌されていると、
睡眠中の記憶に定着作業に対して促進する働きがあります。
ところが、過剰に分泌されると記憶定着を抑制してしまうのです。
日常でコルチゾールが過剰になるのは寝だめとベッドでのスマホ。
平日と休日の起床時間に差がある場合、
起床時にピークになって日中には減るはずのコルチゾールは、
日中にも夜間にも一定の分泌が保たれてしまいます。
その結果、夜間の過剰分泌につながるのです。
また、覚醒刺激にたいして増加するため、
本来なら鎮静する就寝後の時間帯にスマホを見ていると、睡眠中にも増加します。
対策は2つ。
平日と休日の起床時間の差を減らすこと。
ベッドの外でスマホを使ってベッドの上には持ち込まないこと。
これで、睡眠中も学習の習熟に使えますよ。