睡眠不足の脳はどうなっている?
睡眠不足の脳をfMRIで調べた研究では、
内側前頭前野(MPFC)と扁桃体の機能的結合が低下していました。
普段、私たちの脳ではMPFCが扁桃体の活動を抑制することで、
無駄に感情反応を起こさないように調整されています。
ところが、MPFCの抑制が効かなくなると、扁桃体が過剰に活動するので不安反応が増加してしまいます。
寝不足の翌日は、溜まった仕事のことで急に不安になったり、
些細なことで思考が停止したりパニックになってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。
でも、深く眠れていれば短時間の睡眠でもいいんじゃない?と思う人もいるかもしれません。
睡眠構造の研究では、レム睡眠が減ると気分が低下することが示されています。
レム睡眠は睡眠全体の25%を占め主に睡眠の後半に集中して出現します。
短時間の深い睡眠のみでは気分が低下しやすいこと、
また、気分の安定にレム睡眠が何らかの働きをしていることが示唆されています。
レム睡眠中には、不要な感情記憶が消去され、
事実の記憶のみが残されるという研究もあるので、
睡眠の後半部分もとても重要だといえそうです。
睡眠不足では、睡眠量を補うとMPFCと扁桃体の機能的結合は回復すると考えられますが、
不眠症になると、ポジティブ感情が低下することが確認されています。
余裕があるときは数分でも早寝して累積睡眠量をかせぎ、
不眠症改善のために
・ベッドで眠る以外のことをしない
・眠くないうちに就寝しない
・目覚めたら窓から1m以内に入る
・起床11時間後にはスクワット10回程度の運動をする
など、日常に取り入れてみてくださいね。